こんにちは!
近年、糖質制限はダイエットや健康管理の方法として広く知られるようになりましたね。
特定保健指導の面談でも、
「夜はご飯を抜いています」
「健診前になると糖質制限をして減量しています」
「朝食を食べないようにしています」
といったお話をよく伺います。

簡単に減量できそうだと思っていましたが、違うのですか。

糖質の摂り過ぎには注意が必要ですが、糖質を極端に減らせば良いというわけではないんです。実際の特定保健指導の面談でも、自己流の糖質制限によって食事のバランスが崩れてしまっているケースも少なくありません。
そこで今回は、糖質制限の基本と、特定保健指導でよく見かける誤解についてお話ししようと思います。
自己流の糖質制限が増えている理由
近年、糖質制限はダイエットや健康管理の方法として広く知られるようになりました。テレビやSNS、動画サイトなどでも取り上げられる機会が増え、「ご飯を減らすと痩せる」「糖質を控えた方が健康に良い」といった情報を目にする方も多いのではないでしょうか。
実際に、特定保健指導の面談でも、「糖質制限をしています」と話される方は少なくありません。
一方で、お話を詳しく伺うと、
- 夜だけご飯を抜いている
- 朝食や昼食を食べないようにしている
- 健診前だけ糖質制限をしている
- ご飯は控えているが、お酒やお菓子はそのまま
など、ご自身の判断で取り組まれているケースも多くみられます。
糖質は、体内でブドウ糖に分解され、脳や筋肉を動かすための大切なエネルギー源です。そのため、糖質制限は「糖質を食べないこと」ではなく、食事全体のバランスを整えながら、ご自身に合った量を取り入れることが大切です。
私自身、特定保健指導で多くの方と面談を行っていますが、自己流の糖質制限によって思うような結果につながらなかったり、かえって食生活のバランスが崩れてしまったりするケースを数多く見てきました。
そこで次に、特定保健指導で実際によく伺う「自己流糖質制限」の誤解についてご紹介します。
糖質制限とは?糖質は体に必要クリーンなエネルギー源

糖質制限について考える前に、過去にも何度か記事にしていますが、まずは「糖質」と「炭水化物」の違いを知っておきましょう。
炭水化物は大きく分けると、
- 糖質
- 食物繊維
の2つに分類されます。
このうち体内で消化・吸収されてエネルギー源となるのが糖質です。
一方、食物繊維はエネルギー源にはなりませんが、腸内環境を整えたり、糖や脂質の吸収を穏やかにしたりする働きがあります
糖質は体内でブドウ糖に分解され、脳や筋肉を動かす一番クリーンなエネルギーとして利用されます。
そのため糖質そのものが悪者ではなく、問題になるのは、糖質の選び方や摂り過ぎです。
糖質にはいくつか種類があり、代表的なものとして以下があります。
| 種類 | 主な例 |
|---|---|
| 単糖類 | ブドウ糖、果糖 |
| 二糖類 | 砂糖(ショ糖)、乳糖 |
| 多糖類 | ご飯、パン、麺類などに含まれるデンプン |
単糖類や二糖類は比較的吸収が早く、甘い飲み物やお菓子などにも多く含まれています。
一方、ご飯やパンなどの主食に含まれるデンプンは多糖類に分類されます。
特定保健指導の面談では、「糖質制限をしているのでご飯は食べません」という方もいますが、その一方で砂糖入りのコーヒーやジュース、お菓子を習慣的に摂っているケースも少なくありません。
糖質はご飯だけに含まれているわけではないため、主食だけを減らしても糖質の摂り方が変わっていないこともあります。
主食の重ね食いや甘い飲み物、お菓子などによって糖質を過剰に摂取すると、使い切れなかったエネルギーが中性脂肪として蓄積されやすくなります。
糖質制限とは、糖質の摂取量を適切な範囲に調整することです。
ご飯やパンを完全にやめることではありません。
糖質を減らすことだけに意識が向いてしまうと、かえって食事全体のバランスを崩してしまうことがあります

糖質と炭水化物の違いや糖質の種類、血糖値に関することについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
関連記事:
特定保健指導でよく聞く誤解①| 夜だけご飯を抜けば痩せる?
面談で最も多いのが、
「夜はご飯を食べていません」
というケースです。
しかし詳しく伺うと、
- ビールは毎日飲む
- 焼酎を飲む
- おつまみを食べる
- 夕食後のお菓子は続けている
ということも少なくありません。
ご飯を抜けば糖質は減ります。

アルコールやおつまみ、お菓子などからエネルギーを摂っていれば、結果として摂取エネルギーは大きく変わらないことがあります。
また、おつまみは揚げ物や加工食品など脂質が多いものも少なくありません。
体重管理は糖質だけを見るのではなく、食事全体のバランスで考えることが大切です。
特定保健指導でよく聞く誤解②|朝食や昼食を抜けば体重は減る?
特定保健指導の面談では、
「朝はコーヒーだけです」
「昼食は食べないようにしています」
という方も少なくありません。
一見すると、食事を抜けば摂取エネルギーが減るため、体重も減りやすいように感じるかもしれません。
しかし、朝食や昼食を抜いて空腹時間が長くなると、体はエネルギー不足の状態になります。その結果、次の食事で一度に多く食べてしまったり、早食いになったりしやすくなります。
さらに、長時間何も食べていない状態では、食後の血糖値が急激に上昇しやすくなることが知られています。これは、空腹時間が長く続くことで、食べた糖質が一気に吸収されやすくなるためです。
特に、ご飯や麺類だけを急いで食べたり、丼ものやラーメンなど糖質の多い食事を最初に食べたりすると、血糖値が大きく変動しやすくなります。
私は血糖センサーを用いた支援も行っていますが、朝食を抜いた日や昼食が遅くなった日に、昼食後や夕食後の血糖値が大きく上昇しているケースを見かけることがあります。
また、空腹時間が長いと夕方に強い空腹感を感じやすくなり、
- 菓子パン
- 甘い飲み物
- お菓子
などで空腹を満たしてしまう方も少なくありません。
その結果、1日全体で見ると、思っていた以上にエネルギーを摂取してしまうこともあります。
体重管理では、「食事を抜くこと」よりも、「三食をできるだけ規則正しく食べ、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を続けること」が、無理なく続けられる健康的な食習慣につながります。
特定保健指導でよく聞く誤解③|健診前だけ頑張ればよい?
特定保健指導の面談では、
「健診の1か月前から夜のご飯を控えていました」
「健診前だけお酒を減らしていました」
「健診が近づいてきたので糖質制限を始めました」
というお話を伺うことがあります。
健診をきっかけに健康を意識することは、とても良いことです。その一方で、短期間だけ食事内容を変える取り組みは、健診後に以前の生活習慣へ戻りやすく、体重や腹囲も少しずつ元の状態に近づくケースがみられます。
実際の面談でも、「毎年健診前になると食事を気を付けています」「健診が終わると気持ちが緩んでしまいます」という声を伺うことも少なくありません。
また、短期間で結果を出そうとして、ご飯を極端に減らしたり、朝食や昼食を抜いたりすると、強い空腹感から夕食を食べ過ぎたり、間食が増えたりすることがあります。こうした方法は日々の生活に取り入れにくく、継続することが負担になりやすい傾向があります。
特定保健指導では、将来の生活習慣病を予防するために、食事や運動などの生活習慣を少しずつ整え、その習慣を続けていくことを大切にしています。
健診は、ご自身の健康状態や生活習慣を振り返る大切な機会です。その機会をきっかけに、無理なく続けられる食生活や運動習慣を少しずつ積み重ねていくことが、体重や腹囲の改善、そして将来の健康維持につながります。
管理栄養士がおすすめする糖質との付き合い方
糖質を完全に避ける必要はありません。
私が面談でお伝えしているのは、
- 主食を適量食べる
- 主菜や副菜を組み合わせる
- 野菜や海藻、きのこ類を取り入れる
- 甘い飲み物やお菓子を見直す
といった内容です。
糖質を悪者にするのではなく、食事全体のバランスを整えることが健康管理への近道です。
まとめ|糖質を減らすより食べ方や習慣を見直すことが大切
糖質制限は、糖質の摂取量を適切に調整することで、体重管理や血糖コントロールに役立つ場合があります。しかし、「糖質=悪者」と考えて極端に制限すると、食事全体のバランスが崩れたり、健診後に元の生活へ戻ってしまったりすることも少なくありません。
特定保健指導の面談では、
- 夜だけご飯を抜く
- 朝食や昼食を抜く
- 健診前だけ糖質制限をする
といった自己流の方法を実践されている方によくお会いします。
健康づくりにつながる食生活は、短期間だけ頑張る方法ではなく、毎日の生活の中で無理なく続けられることが大切です。
ご飯やパンなどの主食も、量や組み合わせを工夫することで、健康的な食生活の一部として取り入れることができます。肉や魚、大豆製品などのたんぱく質、野菜やきのこ、海藻類を組み合わせながら、食事全体のバランスを整えていきましょう。
「何を抜くか」よりも、「何をどのくらい、どのように食べるか」を意識することが、将来の生活習慣病予防や健康維持につながります。
管理栄養士に相談してみませんか?
「糖質制限を始めたいけれど、自分に合った方法が分からない」
「健診結果を改善したい」
「自己流のダイエットが続かない」
そのようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
一人ひとりの生活スタイルや健診結果に合わせて、無理なく続けられる食事の工夫や健康づくりを、管理栄養士の立場からサポートいたします。お問い合わせはこちらから。
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