こんにちは!
梅仕事の季節がやってきましたね。

梅干しを手作りしてみたいけど、道具が多くて大変そう…と思ってしまいます。

そう思って一歩を踏み出せなかった方にこそおすすめなのが、保存袋を使ったシンプルな梅干し作りです。
今回は、梅2kgを塩分18%で漬けた実際の流れを写真とともにご紹介します。
初心者でも始めやすく、特別な道具も不要。冷蔵庫があればOKです!巻末にQ&Aもまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
保存袋でつくる|簡単手作り梅干しレシピ(梅2kg・塩18%)
梅干しづくりはむずかしそうに思われがちですが、チャック付きの保存袋と冷蔵庫があれば、初心者でも気軽に始められます。
今回は梅2kgを塩分18%で仕込みました。写真付きで工程を詳しくご紹介します。
材料(梅2kg分)
- 完熟梅:2kg
- 自然塩(今回は「海の精」):360g(梅の18%)
- ホワイトリカー(35度以上):約100ml
- チャック付き保存袋(Lサイズ):2〜3枚
- 竹串(ヘタ取り用)
- キッチンペーパーまたは清潔な布巾
- 重し用のペットボトルやタッパーなど(冷蔵庫に入るもの)


今回は「海の精 あらしお」を使いました。まろやかでミネラル豊富な自然塩は、梅の風味を引き立ててくれます。

材料がそろったら、いよいよ梅しごとのスタートです。ひとつひとつの工程を一緒にみていきましょう。
作り方
① 梅を洗い、水に浸けてアク抜き(約2〜6時間)
完熟梅をやさしく洗い、2〜6時間ほど水に浸けます(黄熟が進んでいる梅は短めでOK)。
アク抜き後は、ザルにあげて水気を切っておきます。
② 水気を拭いてヘタを取る
梅の実を傷つけないように、竹串や爪楊枝でヘタを取り除きます。
水分が残っているとカビの原因になるため、キッチンペーパーで丁寧に拭き取るのがポイントです。

③ 焼酎をまわしかける
梅をボウルに入れ、焼酎をまんべんなくまわしかけます。
これはカビを防ぐための大切な工程。全体がしっとりする程度でOKです。
④ 塩をまぶす
焼酎で湿らせた梅に、塩を全体にふりかけます。
ボウルの中で手袋をしてまぜると、均等になじみやすくなります。
※梅にまんべんなく塩がつくことで、梅酢がしっかり上がります。

⑤ 保存袋に入れて密閉する
梅を保存袋に移し、袋の空気をしっかり抜いてチャックを閉じます。
可能であれば、袋を平らにして上にペットボトルなど軽めの重しをのせましょう。
冷蔵庫の野菜室に入れて、2〜3日ほどで梅酢が上がってきます。


道具が大きな樽も専用の重も必要なく、気軽に始められるのが魅力ですね。「冷蔵庫で静かに待つだけ」なのに、きちんと梅酢が上がり、梅干し作りができる手軽さが嬉しいポイントです。
✅注意&アドバイス
- 袋の空気はできるだけ抜くことで、カビのリスクが減ります。
- 塩分は初心者向けに18%で設定。15%以下にするときは冷蔵庫+しっかり除菌を。
- 梅酢が上がるまでは袋を動かさず静かに置いておくのがベターです。
作業のポイントを押さえつつ、次に気になるのが塩分量ですよね。塩分によって梅干しの仕上がりや扱いやすさがどう変わるのか、簡単に比較してみましょう。
塩分の違いでどう変わる?簡単な目安
塩分 | 仕上がり | カビのリスク |
---|---|---|
18%(今回) | 昔ながらのしっかり塩味、保存性高い | 低い(初心者向け) |
15% | ややマイルド、減塩志向 | 少し注意(冷蔵庫管理を推奨) |
12%以下 | 食べやすいが水っぽくなる | 高くなる(カビやすい) |
初心者や、常温保存を考える方は18%が安心ラインです。今回もこの基準で漬けました。
ここでちょっとひと息。私たちが昔から親しんできた「梅」には、どんな栄養的な魅力があるのでしょうか? 知っておくと、梅干し作りがもっと楽しくなりますよ。
梅の栄養|クエン酸・ポリフェノールの役割
梅には、すっぱさのもとであるクエン酸や、色素成分であるポリフェノールが含まれています。
クエン酸は、体内でエネルギーを生み出すサイクルに関わる成分のひとつとされており、
昔から暑い時期や季節の変わり目に梅干しが食べられてきた背景には、こうした特性も関係しているのかもしれません。
また、梅の酸味には唾液や胃液の分泌を促す作用があるとされ、食欲が落ちやすい時期にも活用されてきました。
実際に「ごはんに梅干しがあれば食べられる」という方も多いのではないでしょうか。
さらに、塩と組み合わせて漬けることで保存性が高まるのも、梅干しの大きな特長。
湿気の多い梅雨時や、食材が傷みやすい季節に“食中毒予防の知恵”としても重宝されてきました。
梅に含まれる成分の中には、菌の増殖を抑える働きを持つものもあるといわれています。
梅についての詳しい成分や保存については、こちらの記事に詳しく掲載されています。
どんな場面に使われてきたか?昔から梅が食べられる理由
✅食欲が落ちる時のサポートに
- クエン酸による酸味が胃酸分泌を促し食欲を刺激
梅干し1粒でごはんが進む
✅季節の変わり目・じめじめした時期に
- クエン酸や塩分の作用により保存性が高く昔から食中毒対策としても重宝されてきた
✅疲れを感じやすい時期のサポートに
- クエン酸が体内のエネルギー産生の働きに関与している
エネルギーをうまく使うために欠かせない成分の一つ
梅干しのやさしい活用法:梅しょう番茶
梅干しは、そのまま食べるだけでなく、昔ながらの食養生にも活用されてきました。
なかでも「梅しょう番茶」という飲み方は、ご家庭でできるシンプルな健康習慣として知られています。
作り方は、つぶした梅干しに少量のしょうゆとおろし生姜を加え、熱い番茶を注ぐだけ。
すっぱさと香ばしさがほどよく合わさり、飲むと体の内側からじんわり温まるようなやさしい味わいです。

私も梅しょう番茶をよく飲みますが、昔の人は季節の変わり目や体調を崩しやすい時期に、このような自然の知恵を暮らしの中で活かしていたのですね。
最後に今回の内容をふり返りながら、手作り梅干しの魅力をまとめてみましょう。
まとめ|手軽に始める梅しごとのすすめ
梅干し作りは、特別な道具や経験がなくても、意外と簡単に始められます。
今回のように、チャック付きの保存袋を使って塩分18%で漬ける方法なら、初心者でも失敗しにくく、冷蔵庫で安全に管理できるのも大きな魅力です。
梅の香りに包まれながら、ひとつひとつ手をかけて仕込む「梅しごと」。
このあと、梅酢がしっかりと上がったら、いよいよ赤しそを加える工程へ。引き続き、次回の更新でその手順をご紹介予定ですので、どうぞお楽しみに。
そして実際に作ってみようと思うと出てくるのがちょっとした疑問。そんな「ここが知りたい!」にお答えするQ&Aコーナーです。
ここが知りたい!Q&A

梅は完熟でないとダメですか?

基本的には黄色く熟した“完熟梅”がおすすめです。青梅は苦みが出たり発酵しづらく、失敗しやすいので、初心者さんには完熟梅が扱いやすいですよ。
※青梅や熟した梅には「シアン化合物」と呼ばれる成分が含まれており、そのまま食べると体に悪影響を及ぼす可能性があります。ただし、この成分は梅干しや梅酒などに加工・熟成する過程で分解されるので、梅を楽しむ際は必ず加熱や発酵・熟成などの処理を施したうえで食べるようにしましょう。

焼酎を使うのはなぜ?省いてもいいですか?

焼酎(35度以上)はカビ防止のために使います。全体にまぶす程度なので風味には影響せず、安全に漬けるための大事な工程なんです。

保存袋はどんなものを選べばいいですか?

チャック付きで厚みのある保存袋(Lサイズ)がおすすめです。破れにくく、密閉しやすいものを選びましょう。袋内の空気はできるだけ抜くことで、カビのリスクを下げられます。

梅酢が上がるのはいつ頃ですか?

通常、冷蔵庫に入れてから2〜3日ほどで梅酢がじわじわと上がってきます。
袋は動かさずに、静かに冷蔵庫の中で置いておくのがコツです。

塩分は少なくしても大丈夫ですか?

初心者には18%がおすすめです。15%以下にすると保存性が落ち、カビのリスクが高まるため、冷蔵管理と衛生管理がより重要になります。まずは基本の18%で挑戦してみてくださいね。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
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