こんにちは!フリーランス管理栄養士RICOです。今日は野菜ジュースについてお話したいと思います。
「野菜ジュースは野菜の代わりになるの?」という質問を受けることがありますが、ユウさんはどう思いますか?
正直なところ、野菜ジュースを飲んでいれば、野菜を食べなくてもよいのかなと思ってます…。
野菜を十分に摂るのが難しく忙しい生活の中で、野菜ジュースは便利な選択肢として考えられますが、果たして、それだけで野菜の代わりなるのでしょうか?一緒に考えてみましょう。
本記事では、その理由や野菜ジュースのメリットとデメリット、効率的な活用法について詳しく説明していきます。
野菜の代わりになるのか|飲料として栄養素を吸収しやすい
野菜ジュースは確かに便利ですが、実際に生の野菜を食べることとは異なり、それだけで野菜の代わりとして、1日に必要な野菜をすべて補うことは難しいと言えます。ジュースに加工する過程で、野菜本来の栄養素が一部失われることが理由です。
野菜ジュースは意味がないのですか?
いいえ。野菜ジュースにも利点がたくさんあります。ここでメリットとデメリットを整理してみましょう
野菜ジュースのメリットとデメリット
■メリット
- 手軽に栄養補給:忙しい時でも野菜の栄養を簡単に補える。
- 野菜が苦手でもOK: 飲みやすく、続けやすい。
- 吸収率アップ:ビタミンA(βカロテン)など脂溶性ビタミンが加工により吸収されやすくなる。
- アンチエイジングや免疫力アップに:ビタミンAやリコピンなど抗酸化作用のある成分を摂取できる。
- 体内バランスを整える:カリウムやカルシウムが含まれている。
■デメリット
- 食物繊維不足: ジュース加工でパルプ(搾りかす)が除かれ、食物繊維が少なくなる。
- 糖分が多い:果物が多いジュースは糖質が高く、飲みすぎるとカロリーオーバーのリスクも。
- ビタミンCの損失:加工中に熱で失われやすい。
- 添加物:塩分や甘味料、保存料が含まれる場合がある。
1日の野菜摂取量目安は
- 1~2歳:180g
- 3~5歳:240g
- 6~7歳:270g
- 8歳以上:成人と同様に350gが推奨されています。
緑黄色野菜と淡色野菜は、1:2 の割合で合わせて両手約3杯が目安ですが、なかなか摂れていないというのが現状です。
野菜類平均摂取量を見ると、成人男性で約290g、女性で約270gとなっています。特に20~30歳代は男性で約260g、女性で約240gと成人の平均より約30gも少ない量になっています。
引用元 野菜、食べてますか?|e-ヘルスネット 厚生労働省
毎日350gは難しいと感じる時、忙しくてどうしても摂れない時などに「補助的な役割」として活用するのがポイントです。
食事からしっかりと野菜を摂りながら、不足分を野菜ジュースで補うと健康維持にとても役立ちます。
選び方のコツと注意すべきポイント|料理にも活用できる
多くのメーカーから豊富な種類の野菜ジュースが販売されているので、自分に合ったものを見つけてみましょう。
■野菜100%ジュース
野菜のみで作られたジュースです。カリウムや食物繊維が含まれ、野菜を効率よく補えます。青臭いと飲みにくさを感じる人もいるかもしれません。
■糖質オフの野菜ジュース
低糖質の野菜で作られたタイプです。ダイエット中やカロリーを抑えたい人におすすめです。
■トマトジュース
リコピンやβ-カロテンが豊富で、特に抗酸化作用が期待されるトマトジュースも人気です。
■にんじんジュース
βカロテンやカリウムが豊富で、アンチエイジングやむくみ対策にも良いですね。
■野菜に果物がプラスされたジュース
果物が入っているため、おいしく飲みやすい半面、糖質が多くなります。カロリーや糖分を意識して摂りましょう。
■代替品としての青汁
野菜ジュースの代替品として、「青汁」も根強い人気です。プロテイン入りのものや、野菜ジュースと同様に「特定保健用食品」や「機能性表示食品」といったものもあり、種類も豊富です。
腎臓に疾患がありカリウム制限がある人や糖尿病の人は、野菜ジュースや果物入りのジュースを飲む際には注意が必要なので、医師に相談しましょう。
また、野菜ジュースに頼りすぎると噛む回数が減るため、顔の筋肉やあごの力が弱くなる可能性もあります。食事でしっかり噛むことを意識すると良いですね。
野菜ジュースやにんじんジュースは、料理にも活用できるんですよ!
大きいサイズで買った時は、残ってしまいそうなので、活用できるなら嬉しいです。
スープや煮込み料理、ソースのベースとして使うのが効率的です。トマトや緑黄色野菜のジュースは、ミネストローネやトマト煮込み料理に使え、栄養と風味を手軽にプラスできます。カレーやシチューにも加えることで、栄養価を高めコクを深められます。
にんじんジュースは、クリームスープやポタージュ・カレーなどに甘みをプラスします。ドレッシングやソースにも活用でき、ヘルシーな仕上がりにできる万能な素材です。お子さんのおやつ用に、人参ケーキにしても良いですね。
1日の適切な摂取量目安と飲むタイミング|水分補給になる?
野菜ジュースをたくさん飲めばもっと健康になれそうな気もしますけど、1日にどれくらい飲んだらいいんですか?
1日の摂取目安はコップ一杯200ml程度、缶やパックなら1本くらいで良いでしょう。
野菜ジュースには、ナトリウムやカリウム・脂溶性ビタミンなどが含まれ「栄養補給」に適していますが、糖分も多いため水分補給としては注意が必要です。
日常の水分補給には水やカフェインのお茶、大量に汗をかいた時や運動後はスポーツドリンクがおすすめです。
また、果物が多く含まれている野菜ジュースは糖質が高いものや、甘味料・食品添加物が入っていることもあります。
健康のために飲んでいるつもりが糖分やカロリーオーバーとなり、逆に肥満のリスクが高まる可能性もあるので、飲みすぎに気を付けましょう。
飲むタイミングには特に決まりはなく、飲みやすい時で良いですよ。いくつか例を紹介します。
飲むタイミング(例)
■朝
起きてお水や白湯を飲んだ後に。
腸が活発に動き便通が良くなるので、腸の調子も整います。
■食前
ベジ・ファーストといって、食事の最初に野菜を食べると血糖値の上昇を抑えられるのですが、実は野菜ジュースでも同じ役割ができると期待されています。
野菜ジュース100%や糖質オフのジュースを、食事の約30分前に飲むのがおすすめです。
■間食
甘いジュースが好きでやめられない人やお子さんのおやつ替わりに、野菜ジュースに置き換えてみるのも良いですね。
時間に余裕があるときは、自家製野菜ジュースを作るのも良いでしょう。新鮮な野菜を使うため食物繊維が豊富で、熱に弱い水溶性ビタミンや酵素などもしっかり摂取できます。添加物や糖分が気になる人は調整しやすいのもポイントです。
まとめ
野菜ジュースだけでは、1日の野菜摂取量を満たすのは難しいということがわかりましたね。
野菜摂取量が不足しがちな現代人にとって、野菜ジュースは手軽に補給でき便利で、栄養素を吸収しやすい利点があります。
メリット・デメリットを良く理解してバランスの取れた食事を意識しながら、足りない野菜の栄養素を野菜ジュースで適量補い、健康維持やQOL向上に役立てましょう。
すごく勉強になりました!野菜も食べて、不足していると感じたら野菜ジュースも飲もうと思います。
ありがとうございます。野菜ジュースを上手に取り入れてくださいね。次回もお楽しみに!
参考資料
野菜類/(その他)/野菜ミックスジュース/通常タイプ|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
野菜類/(トマト類)/加工品/トマトジュース/食塩無添加|日本食品標準成分表(八訂)増補