こんにちは!
今年の夏は異常に暑いですね。そんな中、宿題や受験勉強など進んでいますか。
「時間はあるのに勉強が進まない」「机に向かっても集中が続かない」──夏休みにこんな相談をよくいただきます。

部屋にはエアコンもつけているし熱中症対策も万全で環境は整ってるのに…。夏だからなのか長い休みになるとやる気がなくダラダラしがちです。

この異常な暑さや湿度では体力が消耗しやすく、脳の働きにも影響します。特にやる気を左右する「ドーパミン」が不足すると、集中力やモチベーションが落ちやすくなるんです。
脳の材料となる栄養や生活リズムが乱れていると、やる気スイッチは入りにくくなります。
もちろん気持ちの面も大切ですが、まずは脳を元気にする食事と生活習慣を整えてみましょう。
本記事では、日常の食事でできる“やる気を引き出すヒント”をわかりやすくご紹介します。
やる気と集中力のカギ|ドーパミンとは?
脳内で「やる気スイッチ」を押すような役割を果たすのは、ドーパミンと呼ばれる意欲・集中・継続に関わる神経伝達物質ですが、不足すると「やる気が出ない」「続かない」と感じやすくなります。
ドーパミンの材料はたんぱく質のアミノ酸「チロシン」で、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など幅広い食品に含まれ、通常の食事で十分に摂取出来ていれば賄えます。
さらに、チロシンがドーパミン→ノルアドレナリンへ代謝される過程では、鉄・ビタミンB₆・葉酸などが酵素の働きを支えます。
つまり「やる気スイッチ」はたんぱく質やビタミン・ミネラルがそろってこそ、スムーズに働きます。

ポイントは「やる気=根性」だけでなく材料が足りているかをみること、成長期・運動量が多い子は鉄の消耗にも注意することです。
次に、長期休みに入って時間があるのに、やる気が出来ないありがちな原因を探ってみましょう。
夏休み「やる気が出ない」ありがちな原因
夏は食欲低下や偏食が起きやすく、脳の材料不足を招きがち。以下に当てはまるものはありませんか?
よくある食習慣 | 何が起きやすいか | ひと言メモ |
---|---|---|
冷たい麺・菓子パン中心 | たんぱく質・鉄不足 | 主食だけ→血糖の波・眠気 |
甘い飲料・スポドリ多め | 血糖の乱高下→だるさ | 水・麦茶ベースで十分 |
朝食を抜く | 脳の元気が足りず スタートダッシュができない | まずは“軽い朝食”から |
野菜不足 | 葉酸・ビタミンB群不足 | 冷凍野菜・カット野菜 からでもOK |
偏りに気づいたら、次は足し算の発想で整えていきましょう。
ドーパミンの材料|チロシンを含むたんぱく質
ドーパミンの材料であるアミノ酸の一種「チロシン」は、多くのたんぱく質食品に含まれており、日常の食事から十分にとることが可能です。
チロシンを多く含む食品例
食品群 | 具体例 | 手軽な取り入れ方 |
---|---|---|
肉 | 鶏むね・豚ヒレ・牛もも | 冷しゃぶ サラダにトッピングなど |
魚 | カツオ・マグロ サケ・サバ缶 | ごはんにのせて丼ものに |
卵 | ゆで卵・茶碗蒸し | 朝にゆで卵+バナナなど |
大豆 | 豆腐・納豆・厚揚げ | 冷ややっこ+納豆でW補給 |
乳 | ヨーグルト・チーズ | 無糖ヨーグルト+果物 |


うちは夏になると冷たい麺が増えて、たんぱく質が少ないかもしれません…。

これだけ暑いとそうめんや冷やし中華は食べやすい麺類などを食べたくなるのもわかりますが、たんぱく質を意識しないとチロシン不足になりやすいんです。1品ちょい足しするのがおすすめです。
生成に欠かせない3つの栄養素|鉄・ビタミンB₆・葉酸
チロシンがドーパミンやノルアドレナリンに変化するには、酵素が必要です。その酵素の働きを助けるのが、鉄・ビタミンB₆・葉酸の3つ。
鉄は酸素運搬、ビタミンB₆はアミノ酸代謝、葉酸は細胞の生合成を助け、いずれも脳のはたらきを下支えします。
栄養素 | 多い食品 | メモ |
---|---|---|
鉄 | 赤身肉・レバー・カツオ 小松菜・ひじき | ビタミンC同時摂取で吸収up |
ビタミン B₆ | マグロ・カツオ・鶏むね バナナ・じゃがいも | 高たんぱく食とは相性◎ |
葉酸 | 枝豆・ほうれん草・ ブロッコリーなど | 加熱で損失しやすいので ゆで過ぎ注意 |
特に、成長期や運動量が多いお子さんは鉄の消耗が激しく、貧血になると酸素や栄養が脳に届きにくくなり、ドーパミンの生成にも影響します。

うちの子、部活をやめてからも疲れやすいんです。貧血の可能性もありますか?

倦怠感・動悸・めまい・疲れやすいなど気になる症状がある場合は、鉄欠乏性貧血の可能性もあります。気になる場合は受診して検査をしましょう。
次の章では手軽に追加できるメニューを紹介しますね。
夏でも食べやすいメニュー例
暑い日は「冷たくても栄養◎」が続けやすさのカギ。
- 冷しゃぶサラダ(豚ヒレ+葉物+トマト+レモン)
- サーモンとアボカドの酢飯丼(ビタミンB₆+良質脂質)
- 冷ややっこ×納豆×キムチ(たんぱく質+発酵)
- ツナとほうれん草のごま和え(鉄+葉酸)
- 鶏むねのレンチン蒸しにポン酢(作り置きOK)
1日のモデル(例)
タイミング | メニュー例 | 狙い |
---|---|---|
朝 | 食パン・サラダ・ゆで卵 バナナ+無糖ヨーグルト・牛乳 | たんぱく質+ビタミンB₆ 1日のスタートを軽やかに |
昼 | 冷しゃぶサラダうどん 枝豆・みかん缶 | 炭水化物+たんぱく質 +葉酸 |
補食 | チーズ+全粒粉クラッカー オートミールなど | 夕方の勉強前に エネルギー補給 |
夜 | サーモンアボカド丼 ほうれん草味噌汁など | ビタミンB₆+葉酸+ オメガ脂肪酸 |


食事が整うと、次は水分・睡眠・運動のベース調整が効いてきます。
私たち保護者ができる食生活サポート
- 毎食タンパク質を必ず1品
- たんぱく補助:牛乳や無糖ヨーグルト、ツナ缶・サバ缶、豆腐
- 鉄を含む補食:鉄強化シリアル・オートミール(ヨーグルトと)
- 野菜はビタミンB群や葉酸の宝庫なので彩り豊かに
- 買い置きの工夫(ツナ缶、サバ缶、豆腐、納豆、冷凍野菜)
- 水分補給は麦茶や水を基本に(甘い飲料は控える)

なるほど…。やる気って根性じゃなくて、食材でカバーできるのですね。

食材の栄養素から、脳の材料をしっかり補えば学ぶ力も引き出しやすくなります。この夏は、食事からやる気スイッチをサポートしましょう。
また、水や麦茶をこまめに飲み、甘い飲み物はごほうび程度に。夜は寝る1〜2時間前にお風呂に入り、画面から離れて眠りの準備をしましょう。朝は10分ほど外を歩き、体内時計をリセットすると、一日の学習効率がぐっと上がります。
ここが知りたい!夏のやる気サポートQ&A

サプリやプロテインを飲めばやる気は上がりますか?

サプリやプロテインは不足分を補うもので、やる気そのものを直接アップさせるものではありません。まずは毎日の食事で栄養をしっかりとり、それでも足りないときに上手に使うのがおすすめです。

エナジードリンクなどを飲むのはどうでしょうか?

エナジードリンクには糖分やカフェインが多く含まれ、飲むと一時的に覚醒したように感じることがあります。ただし効果は長く続かず、血糖の乱高下や寝つきの悪さやだるさにつながることも。
どうしても眠気が取れないときの“非常用”くらいにして、普段は水分・食事・睡眠でコンディションを整えることが大切です。

朝食を食べない子への第一歩は?

“ひと口朝食”(ヨーグルト+バナナ半分、ゆで卵1個など)から。慣れたら主食+主菜+副菜に段階的にしていくと良いでしょう。
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まとめ|夏のやる気は日々の食事から
- ドーパミンはやる気・集中力のカギ
- 材料はたんぱく質(チロシン)+鉄・ビタミンB₆・葉酸
- 暑い夏は食べやすい形で栄養補給を
- 保護者の食卓サポートが受験生の力になる
受験生のやる気や集中力は、精神面だけでなく日々の食事や生活リズムによっても大きく左右されます。暑い夏こそ、食べやすく栄養バランスの取れたメニューで脳と体をサポートすることが大切です。保護者のちょっとした工夫が、お子さんの学習効率やモチベーションを後押しする力になります。
お子さまの体調・生活状況に合わせた個別の食事サポートをご希望の方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。短期集中の“夏の食事計画”もご相談いただけます。
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